【症例】薬の副作用で歯ぐきが腫れてしまった患者様の治療

【症例】薬の副作用で歯ぐきが腫れてしまった患者様の治療

治療内容

TBI、SRP

期間

歯ぐきの治療:6ヶ月
被せ物の交換・虫歯治療:6ヶ月

治療回数

約10回

費用

保険診療

治療前の状態・主訴

松陰神社前-せたがや歯科室|【症例】薬の副作用で歯ぐきが腫れた患者の治療|治療前の画像

患者様は40代の男性で「パンを食べるだけで血が出る」とのことで来院されました。

写真を見ると歯ぐきが腫れ上がっているのがわかり、歯もグラグラする状態でした。

これは「薬物性歯肉肥大」または「薬物性歯肉増殖」と呼ばれる、薬の副作用によって歯ぐきが腫れてしまう症状です。

患者様は高血圧の治療にニフェジピンと呼ばれる薬を服用していたところ、副作用で歯ぐきが腫れてしまいました。

治療詳細

まずは歯科衛生士による歯ブラシの指導を行い、その後今後の治療の流れを説明しました。

次にスケーリングによって歯の表面の歯垢・歯石を除去しました。スケーリングでは、スケーラーという専用の器具を用いて歯から歯石を取り除きます。

歯茎の中の歯石を除去するために、SRP(スケーリング&ルートプレーニング)を行いました。SRPによって歯周ポケットの歯石を取り除くとともに、歯の表面をツルツルにして歯石の付着を予防することができます。

6ヶ月間様子を見たところ、患者様が歯ブラシと歯間ブラシへ意識を向けていただくだけで、今回休薬せずここまで歯茎が改善し、歯の揺れもなくなりました。

松陰神社前-せたがや歯科室|【症例】薬の副作用で歯ぐきが腫れた患者の治療|治療過程の画像

歯茎の状態が整った後に、6ヶ月かけて被せ物の交換と虫歯の治療を行いました。

治療後の様子

松陰神社前-せたがや歯科室|【症例】薬の副作用で歯ぐきが腫れた患者の治療|治療後の画像

治療後の歯の状態がこちらです。

初めはパンを食べるだけで出血していましたが、今では何でも召し上がれるようになり、お口の中の見た目も変わって人前でお食事するのも楽しめるようになりました。

主な副作用・リスク

腫れていた歯茎が落ち着くことにより一時的に知覚過敏の症状がみられます。

<薬の副作用による歯ぐきの腫れは当院で治療可能です>

歯ぐきは薬の副作用によって腫れることがあり、これを薬物性歯肉肥大、または薬物性歯肉増殖と呼んでいます。

けいれんを止める抗てんかん薬のフェニトインの副作用でおこる歯肉肥大がもっともよく知られていますが、その他にも高血圧治療薬のうちカルシウム拮抗薬でも歯肉肥大がおこることがあります。今回の患者様はこのカルシウム拮抗薬によるものでした。

さらに臓器移植や自己免疫の病気で用いられるシクロスポリンを飲んでいる人でも、歯肉肥大の生じやすいことがわかっています。

この歯肉肥大は、若い人ほど、また服用量が多いほど重症になる傾向があります。その程度は、歯と歯の間の歯肉(歯間乳頭)が少し膨れた程度のものから、歯が完全に隠れてしまうものまであります。歯肉肥大は歯面に歯垢(デンタルプラーク)が多いと重症化することが知られています。

薬の副作用による歯ぐきの腫れでお悩みの方は、ぜひせたがや歯科室までご来院ください。スタッフ一同心よりお待ちしております。

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